『教会の伸展と迫害』 使徒言行録5章14〜42節
 
 先週、第65回のキリストの教会全国大会が終わりました。全国から160〜170名の参加者、高齢化が進む中で、若い子供連れの方々も何組かおられました。12年前に紀南で開催した第53回大会では将来の教会の高齢化に備えて、信仰の継承ということを考えて、若者のプロクラムに重点を置き、多くの子供や若者が参加しました。木村先生のアイディアで、大会終了後も個人的に大人と子供をつなげるように、一人一人の子供の名前を書いた祈りのカード(写真付き)を風船に付け、会場で放ち、それを拾った大人はその子のために大会後も祈る、というものでした。その時、娘の「愛」の名前を書いた風船を拾ったのが港教会の井熊さんでした。それをずっと覚えて下さって、今回も当時小学6年生だった愛のことを尋ねて下さいました。

 さて、今日は教会の伸展と迫害という題をつけました。初代教会はの特徴は心も物も一つに共有していたということ、と使徒によって多くの不思議な業としるしが行われたということです。その一つが生まれつき足の不自由な男の人を、ペトロとヨハネが癒したことでした。その結果、めざましい勢いで教会は伸展し、神殿当局者たちも脅威感じるようになり、迫害へと繋がっていったのです。
 教会の伸展(5:12〜16)
05:12使徒たちの手によって、多くのしるしと不思議な業とが民衆の間で行われた。一同は心を一つにしてソロモンの回廊に集まっていたが、05:13ほかの者はだれ一人、あえて仲間に加わろうとはしなかった。しかし、民衆は彼らを称賛していた。
05:14そして、多くの男女が主を信じ、その数はますます増えていった。
05:15人々は病人を大通りに運び出し、担架や床に寝かせた。ペトロが通りかかるとき、せめてその影だけでも病人のだれかにかかるようにした。
05:16また、エルサレム付近の町からも、群衆が病人や汚れた霊に悩まされている人々を連れて集まって来たが、一人残らずいやしてもらった。

 苗代の苗はやがて田んぼに移植されるときに備えて、ますます成長し、苗床からはみ出るほど増え、生命力にあふれ勢いを増していった。

 使徒たちへの迫害
 初代教会がイエスの復活を宣べ伝え、ますます勢いを増しふえ広がっていく姿を見て、反対者たちはねたみに燃えた。
05:17そこで、大祭司とその仲間のサドカイ派の人々は皆立ち上がり、ねたみに燃えて、
05:18使徒たちを捕らえて公の牢に入れた。
05:19ところが、夜中に主の天使が牢の戸を開け、彼らを外に連れ出し、
05:20「行って神殿の境内に立ち、この命の言葉を残らず民衆に告げなさい」と言った。
05:21これを聞いた使徒たちは、夜明けごろ境内に入って教え始めた。一方、大祭司とその仲間が集まり、最高法院、すなわちイスラエルの子らの長老会全体を召集し、使徒たちを引き出すために、人を牢に差し向けた。

 「ところが」使徒たちは天使によって助け出されたのである。神の介入があったのである。どんなに大きな権力で口封じをしようと、神が語らせようとする者を人が口封じすることは決して出来ない。

 21〜32節
05:28「あの名によって教えてはならないと、厳しく命じておいたではないか。それなのに、お前たちはエルサレム中に自分の教えを広め、あの男の血を流した責任を我々に負わせようとしている。」
05:29ペトロとほかの使徒たちは答えた。「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません。
05:30わたしたちの先祖の神は、あなたがたが木につけて殺したイエスを復活させられました。
05:31神はイスラエルを悔い改めさせ、その罪を赦すために、この方を導き手とし、救い主として、御自分の右に上げられました。
05:32わたしたちはこの事実の証人であり、また、神が御自分に従う人々にお与えになった聖霊も、このことを証ししておられます。」

05:33これを聞いた者たちは激しく怒り、使徒たちを殺そうと考えた。

 この後、6.7章で教会で最初の殉教者となったステファノが出て来る。
7:54「人々はこれを聞いて激しく怒り、ステファノに向かって歯ぎしりした。」状況は同じ。このままでは12人の使徒たちは石打の刑にされるのは明らかだった。

05:34ところが、民衆全体から尊敬されている律法の教師で、ファリサイ派に属するガマリエル(パウロの律法の師匠)という人が、議場に立って、使徒たちをしばらく外に出すように命じ、
05:35それから、議員たちにこう言った。「イスラエルの人たち、あの者たちの取り扱いは慎重にしなさい。
05:36以前にもテウダが、自分を何か偉い者のように言って立ち上がり、その数四百人くらいの男が彼に従ったことがあった。彼は殺され、従っていた者は皆散らされて、跡形もなくなった。
05:37その後、住民登録の時、ガリラヤのユダが立ち上がり、民衆を率いて反乱を起こしたが、彼も滅び、つき従った者も皆、ちりぢりにさせられた。
05:38そこで今、申し上げたい。あの者たちから手を引きなさい。ほうっておくがよい。あの計画や行動が人間から出たものなら、自滅するだろうし、
05:39神から出たものであれば、彼らを滅ぼすことはできない。もしかしたら、諸君は神に逆らう者となるかもしれないのだ。」一同はこの意見に従い、
05:40使徒たちを呼び入れて鞭で打ち、イエスの名によって話してはならないと命じたうえ、釈放した。
05:41それで使徒たちは、イエスの名のために辱めを受けるほどの者にされたことを喜び、最高法院から出て行き、
05:42毎日、神殿の境内や家々で絶えず教え、メシア・イエスについて福音を告げ知らせていた。

 「ところが」ここにも神の介入があり、状況は一転した。
使徒たちは39回のむち打ちを受け、激しい痛みの中で、イエスの名のために辱めを受けるほどの者になったことを喜び、今まで以上に命がけでイエスが死から復活したメシアであることを毎日つげ知らせた。
  
 私達も同じ種、同じ苗から生まれたのである。「ナザレのイエスを神はよみがえらせた。この方こそ私達が仰ぐメシアである。」
 使徒の教え(御言葉の学び)、相互の交わり、パンを裂くこと、祈ること(礼拝)に熱心であった。私達もこのことを最も大切なこととして地道に積み上げ、神の御業を仰ぎましょう。