5・詩19編

もろもろの天は神の栄光をあらわし、
  大空はその御手のわざをしめす。
この日、言葉をかの日につたえ、
  この夜、知識をかの夜におくる、
語らず言わず、その声きこえざるに、
  そのひびきは全地にあまねく、
その言葉は地のはてにまでおよぶ。
  神はかしこに帷幄(アゲバリ)を、日のためにもうけたまえり。
日は新郎(ニイムコ)が祝いの殿(トノ)をいずる如く、
  勇士(マスラオ)がきそい走るを喜ぶに似たり。
そのいで立つや天の涯(ハシ)よりし、そのめぐりゆくや天のはてにいたる、
  物としてその暖まりをこうぶらざるはなし。
主の法(ノリ)は全くして、魂をいきかえらしめ、
  主の証しは堅くして、愚かなる者をさとからしむ。
主の諭しは直くして、心を喜ばしめ、
  主の戒めは清くして、眼(マナコ)を明らかなりしむ。
主をかしこみおそるる道はきよくして、世々にたゆることなく、
  主の審(サバ)きはまことにして、ことどとく正し。
これを黄金にくらぶるも、多くのまじりなき黄金にくらぶるも、
  いやまさりて慕うべく、
これを蜜にくるぶるも、蜂の巣のしたたりにくらぶるも、
  いやまさりて甘し。
汝のしもべはこれらによりて戒めをうく、
  これらを守らば大いなる報いあらん。
誰かおのれの過ちを知り得んや、
  ねがわくは我を、隠れたる咎より解き放ちたまえ。
ねがわくは汝のしもべを引きとめて、故意(コトサラ)なる罪をおかさしめず
  それをわが主たらしめたもうなかれ。
さればわれ瑾(キズ)なき者となりて、
  大いなる咎をまぬかるるを得ん。
主、わが岩、わがあがないぬしよ、
  わが口の言葉、わが心の思い、汝の前に喜ばるることを得しめたまえ。