『心の癒し』 マルコによる福音書 15章21〜28節
 
イエス様来臨の目的を求めて         森川末男協力牧師

 宣教の第一声で『神の国は近付いた、悔い改めて福音を信じなさい』と言われたイエスは、“『全て、疲れた者、重荷を負うて苦労している者は、私の所に来なさい。あなた方を休ませてあげよう』(マタイ11:30)と、招いておられます。
 現在の様な社会状況の中では、全ての人が疲れを覚え『生きる事』に重荷を負うているのが現実です。
 イエス様在生時(2000年、程前)のユダヤの国は、ローマ帝国の支配下にあり、2000人以上のローマ兵士の駐留軍がおり、神の国の民と自負する民は、しばしば反乱を起こしては多数の民が逮捕され、ローマに反逆する者の見せしめとして、公道の両側に十字架刑の列をなしたとの記録が残されているそうです。
 国の指導者(祭司や律法学者)達の多くは保身に走り、民には守りきれない多数の戒律を与え、民は「神信仰が重荷」になっていた、と言われる中に、イエス様の降誕がありました。”

2.民の現状が神の目に『飼う者がいない羊』の様に見えた、と聖書は伝えています。 
 “イエスは、御国の福音を宣べ伝え、ありとあらゆる病気や患いを癒された。また、群衆が飼い主のいない羊のように弱り果て打ちひしがれているのを見て、深く憐れまれた。” (マタイ9:25.26:群衆を外に出すと、イエスは家の中に入り、少女の手をお取りになった。すると、少女は起き上がった。 このうわさはその地方一帯に広まった。)
 イエス様の時代に至るまで、指導者達は、自国と自身達の為に他国と戦い、略奪や殺略の他の全人類の歴史と同じ事を繰り返す状況でした。
 「全ての人が『他者の痛みや悲しみ苦しみを覚え、理解し慰め励まし支え助け合う』平和で楽しい社会」=神の国、とは異なる社会形成を続けていたのです。
 現在も全ての国がその様な社会形成をしています。その国の長い歴史において、隣国やその少数民族を自国に併合するかの動き、海洋に覇権をのばす様の動きをし、、、又、大国の力の傘の下にあって国境の現状維持を得ている日本の現実もあします。力や武力を用いない全世界の平和な国造りの方策は無いのでしょうか。
 イエス様の最後の実地訓練、“そこで、イエスは言われた『剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。』”(マタイ26;52)!と。
 この教訓を知る、「全てのキリスト教国」も、この教えを守れることなく今日まで歩みをしました。自己保身が第一だからです。
 イエス様の全人類への「最後の教訓」を再度、皆で確認したいです。

3. 剣(武力)、力では、真の「平和な社会」は創れないのです。
 の無い言葉は、人の心を傷つけます。心ない言葉、虐待、いじめは、悲しみから恨み仕返し、争いを導き出し、最悪の戦争へと繋がります。預言の中に、“悪人は自分の悪の罪により亡ぼされるが、彼が悔い改めて悪(罪)の道から離れるならば、彼は生かされる。”旨の言葉があります。
ーエゼキエル書ー他。イエス様の贖いによる預言。

 結び、全ての人が、自分自身や家族や職務の故に、『心の重荷』を負いながら生きているものです。親(教師)は子供(生徒)の為に心の重荷を多く負っていることでしょう。神からの依頼がある故です。
マタイによる福音書15章21〜28節(マルコ7:24-30)、参照。
※カナンの婦人(母)の信仰jの出来ごとの記録です。
{マタイ14::22-32、イエス様への信頼とペトロの失敗の記録です。}
場所−ティロスとシドン。現在のレバノン国の海岸にある町
※娘の癒しを願う(ギリシャ人でシリア・フェニキア生まれ)の母親。
 イエスは、平素には商売人以外のユダヤ人は行かない異邦人の地に何の目的で行かれたのでしょうか。?
 ア).神は全ての人を見守り、救いの手を述べておられる事を弟子たちに理解させる為。(ユダヤ人だけの神ではない事)。
 ※母親の願い・・・イエスの無応答。−母親の更なる願い。
 私を憐れんで下さい。−娘に掛ける母親の愛と悲しみ。−
 イ).ダビデの子よ、−ダビデ王の末に救い主を送るとの預言より。
 ※弟子たちは、叫びながら付き纏う、異邦人の女を追い払って下さい
 (癒せば、去るでしょうから?)と、申し出ます。
 ウ).イエスの第一声は、自分はイスラエル人の失われた者の為に(母親の願いを確実にさせる為の呼びかけ)。
 エ).母親の更なる助けの願い。子に掛ける親の愛の深さを知る。
 オ).イエスの突き放すような再度の言葉、
  ”子ども達のパンを取って子犬にやってはいけない。(子犬の表現に、彼女に掛けておられるイエスの愛を知らされます。)
 ※これらの対応を聞いていた弟子たちの思いは?
  (そうだそうだ、神の救いはユダヤ人の為だ、だったでしょうか?)
 カ).母親の更なる申し出は、(どうぞ、お助け下さい。・・・・「子犬も主人の食卓から落ちるパン屑は頂けますから」。
  イエスは、母親の神への信頼を褒められ、その場に居ない娘を癒されました。親や教師達の愛する子供や生徒達への思いを知らされます。
  神は『全ての人を見守って居られる』ことを信じ、如何なる時も最後まで委ねて生きる時、心に平安が与えられ、癒されるものです。


マタイによる福音書15章21〜28節
15:21イエスはそこをたち、ティルスとシドンの地方に行かれた。
15:22すると、この地に生まれたカナンの女が出て来て、「主よ、ダビデの子よ、わたしを憐れんでください。娘が悪霊にひどく苦しめられています」と叫んだ。
15:23しかし、イエスは何もお答えにならなかった。そこで、弟子たちが近寄って来て願った。「この女を追い払ってください。叫びながらついて来ますので。」
15:24イエスは、「わたしは、イスラエルの家の失われた羊のところにしか遣わされていない」とお答えになった。
15:25しかし、女は来て、イエスの前にひれ伏し、「主よ、どうかお助けください」と言った。
15:26イエスが、「子供たちのパンを取って小犬にやってはいけない」とお答えになると、
15:27女は言った。「主よ、ごもっともです。しかし、小犬も主人の食卓から落ちるパン屑はいただくのです。」
15:28そこで、イエスはお答えになった。「婦人よ、あなたの信仰は立派だ。あなたの願いどおりになるように。」そのとき、娘の病気はいやされた。


マルコによる福音書7章24〜30節
07:24イエスはそこを立ち去って、ティルスの地方に行かれた。ある家に入り、だれにも知られたくないと思っておられたが、人々に気づかれてしまった。 07:25汚れた霊に取りつかれた幼い娘を持つ女が、すぐにイエスのことを聞きつけ、来てその足もとにひれ伏した。 07:26女はギリシア人でシリア・フェニキアの生まれであったが、娘から悪霊を追い出してくださいと頼んだ。 07:27イエスは言われた。「まず、子供たちに十分食べさせなければならない。子供たちのパンを取って、小犬にやってはいけない。」 07:28ところが、女は答えて言った。「主よ、しかし、食卓の下の小犬も、子供のパン屑はいただきます。」 07:29そこで、イエスは言われた。「それほど言うなら、よろしい。家に帰りなさい。悪霊はあなたの娘からもう出てしまった。」 07:30女が家に帰ってみると、その子は床の上に寝ており、悪霊は出てしまっていた。

マタイによる福音書14章22〜32節
14:22それからすぐ、イエスは弟子たちを強いて舟に乗せ、向こう岸へ先に行かせ、その間に群衆を解散させられた。 14:23群衆を解散させてから、祈るためにひとり山にお登りになった。夕方になっても、ただひとりそこにおられた。 14:24ところが、舟は既に陸から何スタディオンか離れており、逆風のために波に悩まされていた。 14:25夜が明けるころ、イエスは湖の上を歩いて弟子たちのところに行かれた。 14:26弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、「幽霊だ」と言っておびえ、恐怖のあまり叫び声をあげた。 14:27イエスはすぐ彼らに話しかけられた。「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。」 14:28すると、ペトロが答えた。「主よ、あなたでしたら、わたしに命令して、水の上を歩いてそちらに行かせてください。」 14:29イエスが「来なさい」と言われたので、ペトロは舟から降りて水の上を歩き、イエスの方へ進んだ。 14:30しかし、強い風に気がついて怖くなり、沈みかけたので、「主よ、助けてください」と叫んだ。 14:31イエスはすぐに手を伸ばして捕まえ、「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」と言われた。 14:32そして、二人が舟に乗り込むと、風は静まった。